フリーターと正社員の年収差はいくら?賃金構造基本統計調査(令和7年)の年齢別の数字で確認
結論(先に3行で)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」では、一般労働者の所定内給与(月額)は正社員・正職員が358.8千円、正社員・正職員以外が241.7千円で、正社員を100とすると67.4です。
- 差は年齢とともに開きます。月額の差は20〜24歳で44.0千円、25〜29歳で57.1千円、30〜34歳で87.3千円、35〜39歳で122.3千円。12か月分にすると、30〜34歳で約105万円です(賞与を含まない)。
- この統計は賞与・残業代を含まず、短時間労働者(多くのアルバイト)も含みません。実際の差は働き方で変わるので、目安として使い、求人票の条件で比べます。
この記事でやること:下の表で自分の年齢の差を確認 → 今の時給×働いている時間で自分の年収を出す → 応募したい求人の月給・賞与・昇給の条件と比べる。
フリーターと正社員の年収差は公的統計でいくら?
フリーターと正社員の賃金を比べるとき、よく使われる公的な統計が、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」です。最新の令和7年(2025年)の結果の概況では、雇用形態別に次の値が公表されています。
| 区分 | 正社員・正職員 | 正社員・正職員以外 | 格差(正社員=100) |
|---|---|---|---|
| 男女計 | 358.8千円 | 241.7千円 | 67.4 |
| 男性 | 387.4千円 | 268.1千円 | 69.2 |
| 女性 | 304.9千円 | 218.4千円 | 71.6 |
男女計で見ると、月額の差は117.1千円です。
年齢別に見るとどうなる?
同じ調査の年齢別の値(男女計)は次のとおりです。
| 年齢 | 正社員・正職員 | 正社員・正職員以外 | 差(月額) |
|---|---|---|---|
| ~19歳 | 210.8千円 | 186.3千円 | 24.5千円 |
| 20~24歳 | 247.5千円 | 203.5千円 | 44.0千円 |
| 25~29歳 | 285.0千円 | 227.9千円 | 57.1千円 |
| 30~34歳 | 321.1千円 | 233.8千円 | 87.3千円 |
| 35~39歳 | 352.6千円 | 230.3千円 | 122.3千円 |
| 40~44歳 | 379.0千円 | 230.6千円 | 148.4千円 |
| 45~49歳 | 395.6千円 | 233.4千円 | 162.2千円 |
| 50~54歳 | 412.7千円 | 229.7千円 | 183.0千円 |
| 55~59歳 | 424.2千円 | 232.5千円 | 191.7千円 |
| 年齢計 | 358.8千円 | 241.7千円 | 117.1千円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」第6-1表(男女計)。一般労働者(短時間労働者を除く)の所定内給与額(月額)で、賞与・残業代は含みません。アルバイトの多くは「短時間労働者」に入るため、この表の「正社員・正職員以外」はフルタイムで働く契約社員・派遣社員などの値です(2026-11-02 確認)。
20〜24歳では差が月44.0千円ですが、25〜29歳で57.1千円、30〜34歳で87.3千円、35〜39歳で122.3千円、40〜44歳で148.4千円と開いていきます。正社員の賃金は年齢とともに上がる一方、正社員以外の賃金は20代後半から50代までほぼ23万円前後で横ばいです。
年収にするといくら違う?
統計の値は月額なので、目安として12か月分をかけると次のようになります。
| 年齢 | 正社員(月額×12) | 正社員以外(月額×12) | 差(年) |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 約297万円 | 約244万円 | 約53万円 |
| 25〜29歳 | 約342万円 | 約273万円 | 約69万円 |
| 30〜34歳 | 約385万円 | 約281万円 | 約105万円 |
| 35〜39歳 | 約423万円 | 約276万円 | 約147万円 |
この表は、所定内給与(残業代を含まない基本の給与)を12倍しただけの目安です。賞与(ボーナス)は含まれていません。正社員には賞与がある会社が多いため、実際の年収の差は、この表より大きくなることが多いと考えられます。
この統計を読むときの注意は?
この統計には、フリーターの実態と合わない部分があります。
- 短時間労働者を含まない:表の値は「一般労働者」(短時間労働者以外)のものです。週に数日・短時間で働くアルバイトの多くは含まれていません。表の「正社員・正職員以外」は、フルタイムで働く契約社員・派遣社員・嘱託などの値と考えてください。
- 賞与・残業代を含まない:所定内給与額なので、年収の差は表より大きくなることがあります。
- 平均値である:職種・地域・会社の規模・性別で大きく変わります。
自分の場合を考えるには、今の時給と働いている時間から年収を出して比べるのが確実です。たとえば時給1,200円で月160時間働くと月19.2万円、12か月で約230万円です(架空の例)。
正社員になると何が変わる?
賃金のほかに、次のような違いがあることが多いです(会社によって違うので、求人票と労働条件通知書で確認します)。
- 賞与・昇給の仕組み
- 退職金の制度
- 社会保険(健康保険・厚生年金)への加入(アルバイトでも一定の条件を満たせば加入します)
- 研修・教育訓練の機会
- 雇用の期間の定めがない(無期雇用)
一方で、正社員には転勤や配置転換、残業がある場合もあります。2024年4月からは、労働条件の明示で、就業場所・業務の「変更の範囲」を示すことが必要になりました(内定前に確認する労働条件)。
年収差を見て焦ったら?
数字を見て、不安になった人もいると思います。この差は平均の話で、あなたの将来を決めるものではありません。焦って条件を確かめずに決めるより、条件を確かめてから選ぶほうが、長く働ける職場に出会いやすくなります。
まずは相談先を1つ決めましょう。おおむね35歳未満ならわかものハローワーク、卒業後おおむね3年以内なら新卒応援ハローワークで無料で相談できます。スキルをつけてから応募したい人は、要件を満たせば月10万円の受講手当を受けながら学べる職業訓練も選択肢です。
求人票の給与はどう比べる?
求人票を比べるときは、次の項目を同じ物差しで並べます。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 基本給 | 固定残業代や手当と分けて書かれているか |
| 固定残業代 | 何時間分・いくらか、超えた分は別に支払われるか |
| 賞与 | 前年度の実績(何か月分) |
| 昇給 | 前年度の実績 |
| 試用期間 | 期間中の給与が本採用と違うか |
固定残業代がある場合、厚生労働省の「若者の募集・採用等に関する指針」は、企業に時間数と金額などの計算方法を明示することを求めています。
自分の年収を計算するには?
正社員の求人と比べるために、今のアルバイトの年収を計算してみましょう。
- 直近3か月の給与明細の「総支給額」を足して3で割る(月の平均)
- 月の平均を12倍する
- 交通費が別に支給されている場合は、比べるときに分けて考える
たとえば、3か月の総支給額が18万円・20万円・19万円なら、平均19万円、年収の目安は約228万円です(架空の例)。
正社員の求人の「月給」は、アルバイトの給与と同じように比べられる?
そのままでは比べられません。正社員の求人の月給は、次の点でアルバイトの給与と違うことがあります。
- 固定残業代が含まれている場合がある(その分を除いた基本給で比べる)
- 社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)が差し引かれる。アルバイトでも加入していれば同じ
- 賞与がある場合、年収はその分増える
- 試用期間中は、月給が本採用より低いことがある
求人票の「基本給」「固定残業代」「賞与(前年度実績)」を分けて見れば、アルバイトの年収と比べやすくなります。
正社員になったら、すぐに年収が上がる?
すぐに大きく上がるとは限りません。未経験からの正社員では、最初の年収がアルバイトと同じくらいか、少ないこともあります。統計で差が開いていくのは、正社員の賃金が年齢・経験とともに上がっていく仕組み(昇給・賞与)があるからです。
求人を比べるときは、最初の月給だけでなく、前年度の昇給の実績、賞与の実績、資格手当などの手当を確認しましょう。面接で「入社3年目の人の給与の目安」を聞くのも1つの方法です。
年収差を知ったあと、次の一歩は?
統計の差は、平均の話です。自分の今の年収を計算し、応募したい求人の基本給・賞与・昇給の実績と並べてみると、数字がぐっと具体的になります。
そのうえで、今の働き方から正社員を目指すなら、おおむね35歳未満はわかものハローワーク、卒業後おおむね3年以内は新卒応援ハローワークで、担当者と一緒に求人を探せます。アルバイトを続けながら探す人も多く、シフトの調整や応募のペースも相談できます。スキルをつけたい人は職業訓練、正社員経験がなく不安な人は研修型の就職支援も選択肢です。焦らず、条件を確かめながら一歩ずつ進めましょう。
数字の比べ方が分からないときは、ハローワークの担当者に求人票を見せて「この求人の年収の目安はどれくらいですか」と聞いてみるのも1つの方法です。
よくある質問
- フリーターと正社員の年収差は平均でいくら?
- 令和7年賃金構造基本統計調査の月額(所定内給与)で、正社員358.8千円・正社員以外241.7千円、差は117.1千円です。年齢別では30〜34歳で月87.3千円(12か月で約105万円、賞与を除く)です。
- この統計にアルバイトは含まれる?
- 表の値は短時間労働者を含まない一般労働者のものです。週に数日・短時間で働くアルバイトの多くは含まれていません。
- ボーナスを含めると差はどうなる?
- 統計の値は賞与を含まないため、正社員に賞与がある場合、実際の年収の差は大きくなることが多いと考えられます。
- 何歳までに正社員になればいい?
- 決まった年齢はありません。差は年齢とともに開く傾向があるので、相談を早めに始めておくと、選べる幅を保てます。
出典・確認したページ
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」雇用形態別(第6-1表):一般労働者の賃金(月額・千円):正社員・正職員358.8、正社員・正職員以外241.7(格差67.4)、年齢階級別の値(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「若者の募集・採用等に関する指針」(リーフレット):「既卒者が卒業後少なくとも3年間は『新卒枠』に応募できるようにすること」「できる限り上限年齢を設けないように努めること」、固定残業代の明示、職場情報の提供(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」:全ての労働者に就業場所・業務の「変更の範囲」の明示が追加。有期契約は更新上限なども(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「わかものハローワーク」:正社員を目指す若者(おおむね35歳未満)、担当者制による職業相談・セミナー・職業訓練(ハロートレーニング)・応募書類の作成支援・面接対策・求人の検索・企業説明会・面接会・定着支援(無料)、わかものハローワーク全国21か所、わかもの支援コーナー・窓口 全国199か所(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「求職者支援制度のご案内」:月10万円の職業訓練受講手当・通所手当(月上限42,500円)・寄宿手当(月10,700円)、本人収入月8万円以下・世帯収入月30万円以下・世帯の金融資産300万円以下などの支給要件、訓練受講中から終了後3か月間は原則月1回ハローワークに来所して職業相談、求職者支援資金融資(単身月5万円・扶養家族あり月10万円×訓練月数、利率2%)(2026-11-02確認)
この記事は 2026-11-02 時点で公的機関・各社公式ページを確認して書いています。制度や各社の条件は変わることがあるため、申込み前に公式ページで最新情報を確認してください。体験談・口コミは掲載していません。